
陶器の買取は誰が作製したかで買取額が大きく変わる?
骨董品買取を専門の業者に依頼する場合、売却する骨董品が誰の手に作られたのかによっても、買取の価格が大きく異なる場合があります。陶器などもそうした骨董品の一つですが、製作者以外にも買取価格に大きな影響を与える場合があります。
陶芸家によって異なる買取の価格
陶器を骨董品買取業者に買取ってもらう場合、買取価格に大きな影響を与えるのが陶器の製作者です。
有名な工芸家によって製作された作品のほうが買取価格もより高いものになると一般的には思われています。確かに誰もが知っているような有名な工芸家によって作られた陶器の中には、驚くほど高額で取引きされているようなものもあります。
陶器の場合には、特に価値が高いものとしては、古い時代の中国で作られたものや、中世から近代にかけて日本で作られたものがあります。歴史の教科書に掲載されているほど、高名な工芸家によって作られた作品の中には、数百万円単位で取引されているような高額のものもあります。
こうした価値の高い作品ならば、多くの買取業者で高値で買取をしてもらうことが期待できます。高額で取引されている陶芸家を具体的にあげると、酒井田柿右衛門などの高名な陶芸家がいます。酒井田柿右衛門は北九州の有田で作品の製作を行っていた17世紀の工芸家です。
特に有名なのが初代の酒井田柿右衛門で、彼は陶磁器に赤絵をつけて焼く方法を開発したことで、独自の作風を確立したことで知られています。彼の子孫も代々酒井田柿右衛門という名称を使用して陶芸家として活動していますが、特に美術品としての評価が高いのが初代の柿右衛門が製作したとされる作品で、市場に出回れば非常な高額で取引がされています。
製作者以外に買取価格を左右する要素
陶器の製作者は買取価格に大きな影響を与える要素ですが、必ずしもそれだけが買取価格を決定するとは限らない場合もあります。
誰が製作したのかわからないような作品でも、高額で買取がされる場合もあります。こうした作品の中の代表的なものが、特定の時代に特定の地域で作られたものです。陶器は西洋から日本まで昔から広い地域で製作されてきましたが、その中には古くから世界中にその名が知られていたような有名な産地もあります。
中国の川西省にある景徳鎮もそうした産地の一つで、この場所で古い時代に製作された作品の中には、非常に高額で取引されているものがあります。こうした作品の中には製作者が不明なものも多くありますが、特定の時代に製作されたものの中には、製作者がわからなくても高値で取引されている場合も多いです。
景徳鎮の陶磁器の場合には、特に宋の時代から清の時代にかけて作られたものが非常に高く評価されています。中には当時の宮廷で使用されていたような優れた作品もあり、こうした価値のある陶磁器ならば、製作者が不明の場合でも、高名な工芸家が製作した作品と同じような価格で買取られている場合があります。
日本でも同じように陶磁器の産地として有名な場所がいくつかあり、石川県の九谷や愛知県の瀬戸などは昔から質の高い陶器を製作してきた地域として知られてきました。そうした地域で製作されたものの中にも、製作者が不明でも、高額で取引されている作品が多くあります。
作品の状態によっても変わる買取価格
高名な陶芸家が製作した作品は高額で買取がされるケースが多いですが、同じ作者の作品であっても買取価格に大きな差がつく場合もあります。
特に買取価格に大きく影響するのが作品の状態です。有名な陶芸家が作った作品であってなおかつ保存の状態が良ければ、さらに高額での買取価格が期待できます。特に陶器の場合は、他の芸術品と比較しても壊れやすいという特性があります。
床に落としただけ粉々に砕けてしまう場合もあるため、古い時代に作られた作品が傷一つつかずに残されている場合には、非常に価値があります。そのために、有名な陶芸家が製作した作品で保存状態が良いものは、数千万円単位の価格で取引されている場合もあります。
その一方で高額で買取をしてもらう場合には、どのお店で売却するかも、買取価格に大きく影響する場合があります。高名な陶芸家の作品を正しく鑑定することができる鑑定士がいるようなお店ならば、安心して買取をしてもらうことができます。
特に有名な陶芸家の作品の場合には模造品も多く出回っていることから、しっかりと本物を鑑定することができる鑑定士のいるお店に買取を依頼することは、重要な意味を持っています。買取をしている業者の中には、特定の工芸家や時代の作品に精通しているお店もあります。
買取をしてもらう場合には、自分の持っている作品に関して詳しい知識を持っている鑑定士がいるお店を選ぶことで、その価値をより正しく評価してもらえます。
陶器の製作者は買取価格に大きな影響を与える場合がありますが、必ずしもそれだけで買取価格が決まらないのも事実です。製作者以外に買取価格を決定する要素としては、作品の状態があります。保存状態がよければよいもののほうが、より高額の買取が期待できます。
また作品が製作された時代によっても、買取価格が大きく変わる場合があります。中国の古い時代に製作された作品などは、製作者が不明のものであっても、高額で取引されている場合もあります。