
骨董品の扇子の鑑定方法とは
最近、着物を着る機会が減ってきていますね。
着物を着る機会が減っていると同時に、扇子を持つ機会も減っているのではないでしょうか。
持っている人は好きで集めていたりもするわけですが、持っていない人はまったく持っていないと思われます。
特に持たなくても困らないものの部類になってしまったということですね。
さて、そんな扇子ですが、遺品整理などの折にたくさん出てきたら、できればお金に変えたいと思うのではないでしょうか。
今回は扇子を鑑定し、できるだけ高い値段で売る方法についてご説明します。
扇子などの和装小物が低評価になりがちな理由
扇子などの和装小物は、着物を着る機会がへっている現代において、新品で買うときは高いものの売るときはとても安い値段がついてしまうことがあります。
といっても、扇子もピンからきりまでお値段いろいろですよね。
〇扇子の基本的な見分け方
・扇子を閉じたときにパチッとしまるものは高級な扇子です。
・一方、閉めても締まりきらないものは安い扇子なのであまりいい値段はつかないかもしれないですね。
・片面にしか紙が貼っていないものも安い扇子です。
扇子を扱い慣れれば安物か、そうではないものなのか、目が慣れてきて見分けがつきやすくなるでしょう。
それでは、次に扇子の価値について、詳しい情報を見ていきましょう。
作者は誰か
まず、扇子の価値を決める重要ポイントの一つは作者が誰かということです。
正確に言えば、扇子に絵を描いた人がだれかということになります。
扇子に絵を描く専門の職人が絵柄を描いたものや、絵画の作家が扇子に絵を描いた場合は、高額な扇子として扱われます。
一例として、梅原龍三郎の飾り扇「扇面裸婦図」は高額買取されています。
扇子の側面部分に落款が押してあるなど、作者がわかるものや付属品などが鑑定のもとになります。
このほか、骨董品というほど年代が古くはないですが、伝統工芸士の豪阿弥の京扇子も評価が高いです。
何でできているのか
絵柄がなく、素材を透かし彫りしたような扇子の場合も買い取り対象になります。
例えば、香木である白檀の扇子は骨董品として買取られています。
象牙の扇子の場合もあります。
白檀や、象牙は素材そのものの価値もありますので、高額買取を見込むことができますよ。
香木は、よく似たような偽物も多いのであまり詳しくない人が見分けることは困難です。
良い香りがする、透かし彫りの扇子があったら買取査定をしてもらうといいでしょう。
本物の場合は良いお値段がつくかもしれません。
破れはないか
扇子の買取で重要な点は、扇子そのものに破れがないかという点です。
破れていると買取が不可能か、安い値段になってしまうことがあります。
といっても、破れていても適当に修理したのではかえって価値が下がってしまうことがあるので、極力保存状態を悪くしないように気を付けることがまずは重要です。
湿気やカビなどに注意し、たまに換気するなどしてこれ以上傷めないようにしてくださいね。
万が一破れてしまったら、補修すべきかどうかも含めて、骨董品買取業者に相談しましょう。
売れるかどうかわからない扇子をまとめて売却
価値があるのかどうかよくわからない扇子が大量に出てきたという場合は、まとめて買取査定をしてもらうことをおすすめします。
一点だけだと買取が難しくても、何十点もあれば買取価格を付けてもらえることもありますよ。
できるだけ高く買ってもらうには
扇子は、骨董品の中でも、和装小物の一種です。
扱いとしては着物の付属品というイメージです。
したがって、着物の知識を持っている人ではないと誰が作った扇子なのか、どれくらいの価値があるのか知ることは難しいでしょう。
通常の骨董品を扱うお店でも、扇子に詳しいかどうかはそのお店の査定士によりますので、扇子や着物を扱っている骨董品店に相談してみることをおすすめします。
ちなみに、扇子の中でも飾り扇子の場合は美術品としての買取がされるケースがあります。
着物を着て、一緒に持ち歩くものではなくあくまでも美術品であり、扇子の形をしていますが、日本画の一種であるような待遇を受けます。
実際に骨董品や美術品として買い取られている扇子は飾り扇子もよくあります。
おすすめできないのは、自分でオークションに出すことです。
扇子の価値が本当にわかる人はかなり少ないので、ご希望の値段では売れないかもしれません。
まとめ
今回は、扇子の鑑定や買取についての情報をご紹介しました。
一般的な扇子は和装小物の一種として扱われており、着物に詳しい人が買取を行っています。
一方で、和装小物というよりは、扇子の形をした美術品の場合は骨董品や美術品を扱うお店で美術品として買い取られています。
同じ扇子ですが、本当の日用品なのか、美術品なのかというところで扱いが違うというところがポイントです。
どちらかと言えば日用品扱いのものでも、伝統工芸士が作った扇子は高値で取引されています。
値段がつくかどうか微妙な場合は何本かまとめて売りに出しましょう。